電車の中で見た広告のキャッチコピーに魅了されてしまった。
角川文庫の広告のキャッチコピー。
「終わりの一行」は、えげつないほど心奪われるものだった。
人を惹きつけるという目的において、あれだけ的確に的を射抜く広告があるだろうか。
あの広告を作った人は天才だ。
少なくとも僕はそう思ってしまう。
ただ、僕は「始まりの一行」が「終わりの一行」と共にあっても良かったと思う。
「いい小説は、初めの一行を読めばわかる。」
と言っている小説家がいるように、初めの一行は、作者が時間や想いを費やした、濃厚な物語の源泉なのだ。
なればこそ、それも共に置いておいて欲しかったと思う次第である。
この様な素晴らしい仕事を成される方に、僕は嫉妬し、そして憧れてしまう。