変わった僕の、変なブログ。

僕の考えとかアイデアとか面白かった本とか新しい商品とか、覚えておきたい、残しておきたいものを書いてます。

時期遅れのセミ。

 

 

時期遅れに現れたセミが居たと

そんな話を聞きました。

 

11月の寒空の下で、

路上に転がっていたそうです。

 

そんな話を聞いてしまったので、

書くことにしました。

 

 

時期遅れのセミ

 

そのセミがオスだったのか、

メスだったのか。

 

それは分かりません。

 

ただ、そのセミが、

土の中で過ごした6年は、

一体なんだったのでしょうか。

 

長らく、くらい土の中で、

たった一人、仲間との出会いを待ち侘びて

やっと地上に出てきた時には、

 

もう仲間達の見る影はなかった。

 

そんなセミの、

気持ちはどんなんだったのだろかと。

考えてしまいました。

 

 

絶望したのでしょうか。

 

それでも仲間がいるかもと、

希望を求めて鳴いたのでしょうか。

一緒懸命に鳴いたのでしょうか。

 

それとも、諦めて、

寒空の下で終わりを待ったのでしょうか。

ただ1人で何を想っていたのでしょうか。

 

もし、生まれた意味が、

子孫を残すことであったのなら、

その相手を探すこともなく、

その機会も与えられずに、

 

誰一人として仲間にも会えず、

 

過ぎてしまったセミの人生に、

 

意味はあったのでしょうか。

 

 

きっとそれは、

空蝉と形容するのが

なんだかしっくり来てしまう。

 

言葉の意味は違えども、

その字が表す姿は、

正しくそのセミであったのではないかと。

 

 

ただただ思う。

 

 

もしかしたら、

そのセミも奇跡から生まれたのかもしれない。

 

親も時期遅れのセミで、

時期遅れのセミ同志が

奇跡的に出逢ってしまい、

 

生まれ落ちた命だったのかもしれない。

 

だから、

他のセミとは時期を違えてしまったのかもしれない。

 

そんな奇跡の結末が、

こんな悲劇になってしまうのは、

 

なんだか虚しいじゃないか。

 

なんだか寂しいじゃないか。

 

 

だからせめて、

こうして文字として残しておきたくなった。

 

そんなセミがいた事を、

誰かに覚えていてもらいたい。

 

セミが最後に路上に落ちたのは、

 

そんな自分を見せたかった。

 

からなのかもしれないから。

 

 

おわり。