試食コーナーから考えるマーケティング。
スーパーには様々なマーケティングが隠れている。
入口から出口まで、人の動きを計算して作られたルート。
どのスーパーも右回りの場合が多いのはこのため。
そんな中で気になったのは、試食コーナー。
特に人が注目するそのコーナーのマーケティングに着いて考えてみた。
試食のプレッシャー
試食コーナーに人がいると、試食をしづらい。それはなぜかと言えば、買わなければいけないというプレッシャーがあるから。
何かをしてもらったら何かをしないといけないという気持ちになる。
特に日本人はそういう気持ちが強いのかもしれない。
それを利用してたった一つの商品を買わせたところで、さほどの売上にもならないし、口に合わずに買ってしまえば、悪いイメージがつきやすい。
その場限りで終わりのマーケティングでは、リピーターは作れない。
あるアウトレットに行った時物産展のようなイベントを開催していて、そこで試食を勧てるおばさんがいた。
ただ、食べたあとに押し売りのごとくこれどう?あれどう?安いからとガンガン勧めてくる。
それを見ていた周りの人は試食にすら寄り付かなくなった。
試食の意味を履き違えた結果だろう。
試食の目的は、”味を知ってもらうこと”であって、食べたから買えと迫ることではない。
そこを分かっていないとむしろ逆効果になる。
そんことになるくらいなら、やらない方が断然マシだ。
買ってもらうにはどうすればいい?
買ってもらえる試食コーナーを作るなら、
”買わせようとしない”こと。
買うか買わないかを選ぶのはお客さんであってこちらではない。
どれだけ選択肢を増やすか?が勝負になる。
それに加えて、話しやすかったり、近ずきやすい雰囲気を持っていたりする人だと、その人だから買っていこうと思われたりもする。
スーパーなどの人と人の距離が近い場合、最終的には”人が喜ぶこと”こそ最も効果のあるマーケティングになる。
「自分がどうしてもらったら商品を買いたくなるのか?」を客観的に見ていられれば、きっと気がつくことだと思う。
心理学に則ったマーケティング手法も手段の1つだが、やはり人が喜ぶというのは何にも勝るもの。
どちらかではなく、どちらも兼ね備えて初めてマーケティングは結果に繋がるのだろう。
ただし、心理的手法と、人を喜ばせることの割合は場合と状況によって大きく変わるので、それは十分に分析する必要がありそうだ。